一矢会通信

ウソだらけの世の中に一矢報いるべく、真実を追求。

2005年07月

筆者・上田暁がここへ至った経緯三

そんなこんなでアメリカのヒップホップに憧れていただけの僕ですが、20歳前後にある転機を迎えます。

それは歯医者の待ち時間に読み始めたマンガがきっかけでした。その歯医者には、「おぼっちゃまくん」で有名な小林よしのりの、「ゴーマニズム宣言」シリーズが置いてあり、何回か通って読むうちにハマってしまいました。

ゴーマニズム宣言は、いろんなテーマをもとに、作者小林よしのり独自の視点で社会に物申すという、社会風刺のような内容の作品です。枠にとらわれないその視点、考え方に僕は共感しました。

ゴーマニズム宣言はだんだんと深い政治問題に切り込んでいくようになり、そしてゴーマニズム宣言スペシャル「戦争論」という長編の書き下ろしが発表されました。

これは僕にとって本当に衝撃でした。本当に。

テーマは、大東亜戦争を肯定的に検証するというものです。日本が戦争をしなければいけなかった、またはするべきであった理由の説明、日本の戦争を悪だと決めつけてきた戦後の体制と、その決めつけのために作られたウソ・デマ情報に対する反論、あの戦争を否定した結果崩壊している政治や国民性への警告、といった内容です。

しなければいけなかった、するべきであった大きな理由として、有色人種(非白人)の代表として欧米白人勢力との衝突が避けられなかった、という部分があり、僕は、こりゃあヒップホップ、いやそれ以上だな、ここに源流があった!と思ったわけです。

そもそも日露戦争で日本がロシアを破ったときから、日本は有色人種の希望の星と見られていたわけです。非白人は白人に支配されるのが当然、という当時の常識を根底からくつがえしたと。欧米諸国、特にアメリカは、これを機に日本を仮想敵国にし始めるわけですが。

詳しくは読んでもらうしかないと思います。戦争論3まで出てるので機会があったら是非読んでみてください。分厚いのでそれなりの覚悟は必要ですが。

これによって僕は、日本は誇るべき国だ、と目覚めたわけです。これはそれまで教えられたことのないものでした。
今、日本人に一番欠けているものは誇りと自尊心で、それがいろんな問題の根っことなっている、と。この誇りとは、先祖たちが守り育んできたこの国に感謝し、自分もその一部として守り育むべきことを自覚することだと思います。
そしてもちろん、いざとなったら戦う、という覚悟も含まれます。これはおごり高ぶるのとは違って、誇るからこそ礼節をわきまえ、受け継がれてきた倫理・道徳に敬意を払うっていうものです。

今の日本人は、守るべきものも、その大切さも教えられていない、これが一番の問題です。
大東亜戦争にはそれらすべてが凝縮されていて、これ抜きに日本・日本人を語ることはできません。

今週末(土曜日)はゴーマニズム宣言スペシャル「沖縄論」発売日です。今まで知られずにきた、日本本土で唯一直接戦場になった沖縄の真実が明らかにされるはずです。

はっきり言って、僕の言ってることは小林よしのりの受け売りです。でも僕は全面的に賛成だし、それが真実だと信じてるんで、いいんです。マンガごときでも、いいんです。受け売りだとしても、僕の人生を変えるほどの衝撃を、もっと言い広めたいんです。

じゃまた。

あ、まだ自己紹介は続けます。次はキリストについて書こうかな。またまたなんの関係があんの?ってことでまた。

筆者・上田暁がここへ至った経緯二

というわけでフィジーから帰国したわけですが、前回書いたように日本へ憧れを抱いていた僕は、日本的なものの象徴として剣道に魅力を感じました。それから6年ほど(中学卒業まで)続けることになるわけですが、武道の心・技・体というような武士道精神っていうか、気合い、根性至上主義の精神論ってものを多少なりとも学ぶことができたと思います。これも今の僕の考え方を作った一つの要素でしょう。

また、中学の時にできた友達の影響でヒップホップを聴くようになりました。これがなぜそんなに重要なのか?

それにはまず、ヒップホップとは何かを話さなきゃいかんでしょう。簡単に言えば、ヒップホップはジャマイカからレゲエが海を渡ってアメリカでニューヨークを中心に発展したもので、黒人やヒスパニック(南米系)たちが住む貧民街(ゲットー)の若者のご近所パーティー的なものから始まりました。

野外でDJがレコードを大音量でかけてるとこにみんなで集まって踊って、そこに盛り上げ役のマイク持ったやつがいる、みたいな。そいつがリズムに合わせて韻を踏んでしゃべってんのがラップになりました。そしてしゃべる内容がゲットーを代表する声となり、文化として広がっていったと。

文化として定着して成熟してくると、ヒップホップは反体制的、もしくは政治的な色が強くなり、より攻撃的なものになってきました。それでいて遊び心があってファンキーなのね。そんな感じでいい具合に成熟したころに僕はヒップホップを聞くようになりました。で、一気に魅力にとりつかれてしまったわけです。

その時期のアメリカはちょうど、警官の暴力事件や、それがきっかけで起こったロス暴動など、人種問題が熱くなっていたり、ラップの過激な暴力的メッセージが騒がれていたりしました。ヒップホップと社会問題の関係が深くなっていった時期だったわけです。それでその頃、ヒップホップの象徴として60年代の黒人民権運動家のマルコムXがよくとりざたされていました。

マルコムXは、若い頃ひどいチンピラで、刑務所に入ってネイション・オブ・イスラムという宗教を信仰するようになり、出所して人が変わったように布教活動と社会運動のリーダーとして活躍するようになりました。

このネイション・オブ・イスラムとは、一般にブラックムスリムと呼ばれるもので、イスラムとは言っても特殊で、新興宗教と言ってもいいかもしれません。
その教えとは、簡単に言えば、白人は悪魔である、黒人は自身の権利を守るためなら手段を選ぶべきではない、必要であれば銃をとれ、というようなものです。人種差別が根強く残っていた当時としては相当過激で新しい主張で、多くの黒人が共感しました。

で、80年代後半から90年代のはじめあたりにヒップホップ世代によるマルコムXの再評価がされた、ということです。僕はその流れに乗って本を読んだり映画を観たり、そしてもちろんラップを聴いて、体制、白人社会と戦う黒人の誇り高さと、同時にヒップホップのクソ食らえ精神を学びました。その頃からずっとしばらく、僕はヒップホップに憧れ続けていくことになります。憧れすぎてアメリカ黒人になりたい、なれたらその思いを共有できるのに、とまで思ってました。

僕にとってヒップホップがどういう意味を持つのか、その頃はわかりませんでしたが、実はヒップホップ精神の源流とも言うべきものが意外にもすっごい身近にあったことに後から気づくことになります。一矢会通信を読んでくれている人はわかってくれると思いますが、つながるでしょ?

長くなるので、じゃまた。
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